船舶はその用途により、それぞれ構造を異にし、それに見合った使われ方がされるべきである。一般に船舶は海に面している所ならどこへでも航行できると思われがちだが、ドラフト(水深)の浅い場所や、水路の蛇行曲線が小さい港、運河のように船幅制限や深さ制限のある所、氷結する所、時化る所、航海距離の長い所、危険な漂流物のある所、戦争・労働争議等で入港ができない所、干潮と満潮の差が激しく潮の流れが激しい所、船混みが激しい所等は、例え物理的に航行できたとしても、実際上運航が不可能に等しい。
例えば、マカオの場合、本船が入港できるように見えるが、実際は水深が浅く、香港でバージに載せ換えて荷揚げされている。また、最新の港則により変更が適宜されている可能性があるが、香港の場合、コンテナ船とRO/RO船は岸壁に接岸できるが、港則上在来船は岸壁には接岸できない。台湾の台北港の場合、RO/RO船は入港できるが、在来船の入港は基隆になる。今は改善されているが、マレーシアのサラワク州のクチンでは、岸壁の強度が弱く、重量物は岸壁に揚げられなかった。ミクロネシア連邦のヤップ島では、周囲が珊瑚礁に囲まれており、水路が狭く、かつ水流が速いため、LOA(船舶の全長)の大きい船舶は座礁する恐れがある。そのため、可変ピッチ、デュアル・プロペラを持つ船舶、またサイドスラスターを持つ船舶が必要になってくる。また、港によってはガントリークレーンがないため重量物の荷役ができない所もある。そのため、キャパシティの大きなデリックブームあるいはクレーンの付いた船舶が必要になる。しかし、この様な特殊船舶は船価が高額となる。
このように、港、貨物により、用途に適い、且つ最も低コストで最善の船舶を見つけなければならない。