1-6. 梱包

梱包は貨物の保護を前提として、盗難防止、重ね積みによる貨物の損壊、荷役による傷、摩損、漏れ、荷役を容易にするためにされるべきものである。意味のないような薄っぺらい梱包や、絶対に途中で破損すると思われるような梱包がなされている場合がたまに見受けられる。無論過度な梱包をして高い梱包料を請求する業者も存在するので、信頼に足る業者に依頼することが必要である。
梱包の種類としては、以下のものが主として挙げられる。
(1) BARE
梱包をしていないもの。裸梱包。車両(VEHICLE)類、大きな機械類や鉄骨構造(STEEL STRUCTURE)等。

2015年4月 於神奈川県横浜港
(2) BALE
生ゴムや綿等、1かさにしたもの。梱(こり)とも言う。
(3) SHEET
金属板等の梱包をされていない、一枚物の呼称。
(4) ROLL
電線、パルプ、鉄板等。

2015年4月 於神奈川県横浜港
(5) COIL
針金、ロープ等。
(6) BUNDLE
束。パイプ(PIPE)、材木(TIMBER)、鋳塊(INGOT)等を、金属のベルト(BELT)で縛ったものを言う。フォークリフト(FORKLIFT)やスリングワイヤー(SLING WIRE)を使用しやすくするため、スキッド(SKID)を履かせる場合が多い。
(7) CARTON
段ボール箱で作られたケースで、小物雑貨の梱包に適する。壊れやすいので、コンテナ輸送に適している。もし在来船で輸送する場合、同一カートンが多い場合は、パレットに載せて輸送すると便利である。パレットに積み重ねる時は、同じように並べて積むのではなしに、切り換えしと呼ばれる90度向きを変えて積み重ねる方法が好ましい。
(8) BAG
小ロットの穀物、セメント、肥料等の麻袋、紙袋等を指す。モッコに入れて荷役される。
(9) SKID
別名、下駄ともいう。壊れにくいものや、多少傷が付いても商品価値の変わらないものの場合は、下にスキッドを履かせる。貨物の下に角材を2本または3本、縦に平行に取り付けて、フォークリフトでの荷役作業がしやすいようにする。

2014年11月 於愛知県名古屋港
(10) PALLET
正式にはPALLET BOARDというが、全輸送工程を通じてフォークリフトやパレットスリングでの荷役が容易なので、使用される。

2014年11月 於愛知県名古屋港

2015年1月 於兵庫県神戸港
(11) CAN
潤滑油等石油製品、塗料等、主に液体製品に使用される。小さい場合は、更にカートンやケースに詰められる。
(12) DRUM
DRUM、CANの相違は、単に大きいか小さいかの違いである。倉庫での仮置きの場合はパレットに載せておき、船舶での荷役の際はドラムスリング(DRUM SLING)という特殊な用具を使って作業をする。
(13) CRATE
すかし梱包ともいう。貿易当事国で盗難の心配がない場合に、梱包費用を安くでき、しかも中身を保護、もしくは中身の状態がよく見える梱包方法である。貨物のチェックに便利であり、また手荒く取り扱われないためにも効果的である。
(14) CASE
すかし梱包に対し、「めくら梱包」という。中身を盗難、破損、損傷から守るには一番効果的かつ安全な梱包である。

2014年11月 於愛知県名古屋港

2014年7月 於神奈川県横浜港