(1) CRUDE OIL CARRIER (原油タンカー)

原油を運ぶタンカー。大きさによって、いくつかに分解される。約20万~30万トン積載可能なタンカーをVLCC(Very Large Crude oil Carrier)、約30万トン以上のタンカーをULCC(Ultra Large Crude oil Carrier)という。日本で使用される原油の約90%はオイルロードを経て、VLCC(別名:マラッカマックス)によって運ばれる。シーバース(Sea Berth/沖合係留基地)にタンカーを係留し、パイプラインを通じて陸まで石油が運ばれるという荷役方法である。

(2) LPG TANKER (LPGタンカー)

プロパンやブタンを液化した液化石油ガス(LPG: Liquefied Petroleum Gas)を運ぶタンカー。加圧式と冷却式(プロパンは-42℃で液化)と加圧式と冷却式の折衷である加圧低温式の3種類のタイプがある。加圧式LPG船のタンクは高圧に耐えるために円筒状または球状になっており、あまり大型のものはつくることができない。そのため、加圧式は小型の内航船が多く、冷却式は大型船に多い。LNG船の方が先に開発されたため、LPG船にはLNG船の技術が多く取り入れられているが、LPG船はLNG船ほど圧力や低温が求められていないので、タンクの材質や設備はLNG船と異なっている。

(3) LNG TANKER (LNGタンカー)

メタンを主成分とする液化天然ガス(LNG: Liquefied Natural Gas)を運ぶための船。天然ガスは気体のままでは体積が大きく、液体にすると体積は約1/600になるため、液化させた状態で運搬することによって輸送効率をあげている。ただ、メタンを主成分とする天然ガスは-161.5℃に冷却しなければ液化しない。液化天然ガスを輸送するには、低温に耐えうる特殊な材質のタンク、船体を低温から守るための設備や万が一の火災等に備えた対策をしなければならず、厳しい条件が求められるため、船価はLPG船より高く、海上運賃も高い。

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2015年9月 於香川県坂出港

(4) CHEMICAL TANKER (ケミカルタンカー)

液体化学製品を運搬する船。化学反応を起こしやすい液体や、硫酸やリン酸等の酸性の強い液体も輸送するので、それぞれの物質を安全に運ぶことのできるタンクが必要になる。酸性の強い液体を入れるタンクは特殊ステンレスにしたり、タンクやパイプ内に特殊なコーティングを施したりする。また危険性が高い物質を運ぶため、万一事故が起こっても外部に漏れ出さないような方策がとられている。

(5) ORE BULKER (鉱石運搬船)

鉱石の比重が大きいため、船倉を絞り込み、バラストタンクを大きくとっている。そのため、他のばら積み船(Bulker)と比較すると、船の大きさの割には大量には貨物は積むことはできない。港湾荷役機械のアンローダー(Unloader)、ローダー(Loader)、またはバケット(Bucket)を使用し荷役をする。

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2015年9月 福井県敦賀湾にて投錨中の鉱石運搬船

(6) GRAIN BULKER (穀物運搬船)

腐敗に対処するため、大量のベンチレーター(Ventilator/換気装置)を備えている。荷役は、鉱石運搬船と同様に港湾荷役機械のアンローダー(Unloader)、ローダー(Loader)、またはバケット(Bucket)を使用し行われる。

(7) CHIP BULKER (チップ運搬船)

木材チップの比重が軽いため、穀物運搬船より船倉の容量が大きくとられ、D/Wの割には大量に船積みができる。荷役方法は、鉱石運搬船、穀物運搬船と同様である。

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2014年8月 於愛媛県伊予三島港

(8) CONTAINER CARRIER (コンテナ船)

定期船輸送の中核を担うのがコンテナ船であり、海上・陸上においてコンテナのまま輸送が可能で、雑貨の輸送等に向いている。船の容量(コンテナを何個積めるか)を表す単位として、TEU(Twenty foot Equivalent Unit)があり、20フィートコンテナ(8フィート×8フィート×20フィート)で表示される。

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2015年9月 於横浜港

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2015年5月 於宮城県仙台港

(9) RO/RO VESSEL (ローロー船)

以前はPCC(Pure Car Carrier)、PCTC(Pure Car and Truck Carrier)と呼ばれており、車両運搬船の域を脱しないままであったが、最近ではランプウェイ(Ramp Way)強度が大きくなって、車両以外の重量物までマーフィートレーラー(Mafi Trailor)とタグマスター(Tug Master)で積み下ろしが出来るようになった。しかしながら、マーフィートレーラーとタグマスターを各港に配備するにはコストがかかり過ぎるという難点もあり、船社ごとに当該港で取扱があるかどうかを確認しなければならない。

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2015年6月 於横浜港 WALLENIUS WILHELMSEN LOGISTICS TUGELA

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2014年9月 於名古屋港 川崎汽船 NORTHERN HIGHWAY

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2014年9月 於名古屋港沖 トヨフジ海運 豊福丸

(10) CONVENTIONAL VESSEL (在来船)

オールマイティーで何でも詰める船として謳歌する時代もあったが、荷役料の高騰、荷役効率の悪さ等の要因により、鋼材や一部プラント、雑貨が貨物の主体となってきている。現在ではPSCの監視が厳しくなり、内燃機関を有する貨物を積載する場合の消火設備、換気等が義務付けられて以降はスクラップ化が進み、数は減ってきている。新しく設備を取り付けている船もあるが、思った以上に進んでいないのが現状である。

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2015年5月 於秋田県土﨑港

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2014年7月 於大阪府

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2015年9月 於愛媛県伊予三島港

(11) FLOATING CRANE (起重機船)

本船のデレック(Derrick Boom)の耐貨重量が弱い場合や、デレックが無いバルク船やRO/RO船のウェザー・デッキなどに積む場合の外、橋梁やモジュール貨物といった重量物の輸送や設置に利用される。

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2015年9月 於横浜港

(12) DREDGER (浚渫船)

海底、湖、池、川の底に溜まっている泥や砂をさらい水深を深くしたり、その泥や砂を有効利用する目的で作られた船。バケット(Bucket)やバキュームホース(Vacuum Hose)を使い、底の泥や砂を積む。

(13) TUG BOAT (タグボート)

曳舟ひきふね押船おしふねとも言われる。船を押したり引いたりする船のこと。また、海・水上構造物(艀等)を曳航する。一般に、タグボートは強力なエンジンを搭載している。タグボートには、沿岸部で船舶の離着岸のサポートや艀の曳航に用いられる小型のタグボート、そして前述の曳航に加え、外洋での海難救助や海上プラント等の作業にも使われる大型のタグボート(オーシャンタグ)がある。

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2014年9月 於横浜港

 離岸の際、左の船をロープで引くタグボート。船内の水先案内人(Pilot)から無線で指示を受ける。

(14)BARGE (艀:はしけ)

水深の浅い場所、水路の幅が狭い場所等を航行したり、陸上輸送が困難な長尺物、重量物等の輸送に適している。また在来船に横付けして荷役をすればシッピングチャージがフリーとなるため、ある程度の物量がある場合には適している。

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2015年5月 於神奈川県横浜山下ふ頭近くの艀だまり

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2015年9月 於横浜港

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2014年9月 於日本橋川

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2015年5月 於秋田県土﨑港のフラットバージ

(15) PASSENGER SHIP (旅客船、客船)

人を乗せることを主体の目的とした船舶。乗客を車両ごと運ぶことのできるフェリー(Ferry)、宿泊・レストランやプール等の設備が充実し長期間の船旅に適するクルーズ客船(Cruise Ship)といったものがある。

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商船三井旅客の外航クルーズ船『にっぽん丸』

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コスタグループの『コスタ・ヴィクトリア』

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郵船クルーズの『飛鳥II』

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キュナード社の『クイーンエリザベス』

※クルーズ船の写真は横浜のY.G様よりご協力頂きました。

(16) SIGHTSEEING BOAT (遊覧船)

比較的短時間の間に観光を目的とした旅客を乗せ河川・湖・港湾等を航行する客船を遊覧船という。本格的なレストランを備えたレストラン船、観光を目的とした遊覧船・水上バス、通常の船舶より高速で航行する高速船(High-speed Craft)、また、宴会を目的とする屋形船等がある。

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2013年 隅田川を航行する屋形船

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2014年9月 新大橋を通る東京都観光汽船『ヒミコ』

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2015年4月 於博多箱崎港 双胴船『マリエラ』