4)船積
 
通常、船社は、各OPEN PORT(開港)につき一社(航路が違えば数社でも可能)の、代理店及び荷役会社と業務契約をしており、船社の本船(定期貨物船)が入港した場合は必ず、その代理店及び荷役会社を使用しなければならない(紳士協定)。
乙仲は基本的にS/O四通(SHIPPING ORDER、B/L FORM、MATE’S RECEIPT、COPY)を船社代理店に提出し、それぞれにサインまたは承認印をして貰った上、船社代理店にB/L FORMを渡し、後の三通を受取り、COPYは乙仲の手元に、残るS/O、MATE’S RECEIPTは貨物をSTEVEDORE(荷役会社、俗にステベーと呼ぶ)に引き渡す際に手渡す。
雑貨及び小口貨物の場合、基本的に船社指定のステベーの指定埠頭上屋またはヤードに本船入港前に搬入するが、本船が入港後、ステベーがまとめて船積みをする。この事を総積みと言う。大口LOTやVEHICLE及びHEAVY EQUIPMENTSの場合、乙仲はステベーの指示に従い自社の倉庫、又はヤードから直接、貨物を本船入港時に本船の船側まで持込み、ステベーに引渡す。この事を直積と言う。又、ステベーがBARGEに載せ換えて、本船にALONG SIDE(横付)し、船積をする場合がある。この事を社ぶ扱いと言う。乙仲においても自社のBARGE、或いは用船したBARGEを仕立て、本船にALONG SIDEして、CARGO(貨物)をステベー側に引渡す艀取りの方が費用面で有利である。この場合はSHIPPING CHARGEを支払う必要がない。この事を直積みと言う。
乙仲は、総積み、直積みを問わず、貨物をS/Oと同時にステベーに引渡す。この時、ステベーからは事務が煩雑になるとの理由に依り、何らの貨物受取証も発行されない。だが、それに因るトラブルは過去には発生していない。
総積みの場合は本船の入港に合わせてステベーが本船の船側迄貨物を持込んだ後、直積みの場合はステベーが乙仲から貨物を受取った後、本船に積込む事になる。
ここでよく問題になるのがSHIPPER、CARRIER、CONSIGNEE、それにステベーのACCOUNT(費用)とRISK(危険)の分岐点である。
 
a) SHIPPER ↔ CONSIGNEE
FOB及びCFR系統の契約において、船積み港での船積みに依り、貨物が本船の舷側を有効に通過した時点をもって、SHIPPERのCONSIGNEEに対する一切のRISK負担は終了する。そして、その後のRISKは全てCONSIGNEEの負担となる。(INCOTERMSのCFR参照)
FOBの場合は船積み港でBOARDING(船積み)の為、貨物が本船のTACKLE(索具)、厳密に言えば、HOOKに掛る時点迄がSHIPPERのACCOUNTであるが、それ以降のACCOUNTはCONSIGNEEの負担となる。
CFR契約の場合、荷揚げの為貨物が本船のTACKLEよりDELIVERYされる時点迄がSHIPPERのACCOUNTであるが、それ以降のACCOUNTはCONSIGNEEとなる。
 
b) SHIPPER ↔ CARRIER ↔ CONSIGNEE
◎FOB契約の場合
SHIPPERのCONSIGNEEに対するRISKはFOB契約の場合、船積み港で貨物が本船の舷側を有効に通過した時点迄となるが、SHIPPERとCARRIER間のACCOUNTに関しては、BOARDING(船積み)の為、貨物が本船のTACKLE(索具)、厳密に言えば、HOOKに掛る時点迄がSHIPPERのRISKであるが、それ以降はCARRIERのRISKである。
しかし、SHIPPERはCONSIGNEEに対して、船積み港で船積みに依って、貨物が本船の舷側を有効に通過する迄のRISKを負担する。
荷揚げ港においてCARRIERはCONSIGNEEに対し、船積み港で船積みの為、貨物が本船の舷側を有効に通過した時点から、荷揚げ港で船積みした時と外観上同様の良好な状態で、荷揚げ港で本船のTACKLEよりDELIVERYされる時点迄のRISKを負担する。
CONSIGNEEはCARRIERに対し、船積み港で船積みの為、貨物が本船のHOOKに掛った時点から、船積みされ、船積みした時と外観上同様の良好な状態で、荷揚げ港において荷揚げの為本船の舷側を有効に通過しTACKLEよりDELIVERYされる時点迄の海上運賃を負担する。
 
◎CFR契約の場合
SHIPPERとCARRIER間のRISKとACCOUNTに関して、船積み港で、船積みの為、貨物が本船のHOOKに掛った時点から、貨物が本船の舷側を有効に通過する時点迄は、CARRIERはSHIPPERに対しRISKを負担する。一方、SHIPPERはCARRIERに対し、船積みの為、貨物が本船のHOOKに掛った時点から荷揚げ港で荷揚げの為、CONSIGNEEが指定したFORWARDERに、その貨物が本船のHOOKから離れDELIVERY(ON TRUCK)される迄の海上運賃を負担する。またCARRIERはCONSIGNEEに対し船積みした時と外観上同様の良好な状態で、荷揚げ港で貨物が本船のHOOKから離れDELIVERY(ON TRUCK)される迄のRISKを負担する。
しかし米国においての場合や、コンテナ輸送の場合は事情が、異なるので注意しなければならない。
通常B/L面に記載されているが、もし記載されていない場合は、その当事国のREGULATION(法律や条例)やCUSTOM(習慣)に従うものとする。
 
c) SHIPPER ↔ STEVEDORE
船積み港でSHIPPERが指定したFORWARDER(乙仲)が、CARRIERが指定したステベーの指定するYARD又はWAREHOUSEに、貨物を搬入(ON TRUCK)した時点より、船積みの為に貨物が本船のHOOKに掛かる時点迄のACCOUNTをSHIPPERが負担し、そのRISKはステベーが負担する。
 
d) STEVEDORE ↔ CONSIGNEE
荷揚げ港でCARRIERが指定したステベーによって貨物が本船のHOOKから離れCONSIGNEEが指定したFORWARDERに、その貨物がDELIVERY(ON TRUCK)される迄のACCOUNTはSHIPPERから支払われた海上運賃に含まれるので、CARRIERが負担し、そのRISKはステベーが負担する。
 
e) CARRIER ↔ STEVEDORE
船積み港にて貨物が本船のHOOKに掛った時点から貨物が本船の舷側を有効に通過して、本船にREPLACEされ、STOWINGされ、TRIMINGされSECURINGされる迄のACCOUNTはCARRIERがステベーに支払い、そのRISKはSTEVEDOREが負担する。
また荷揚げ港で貨物をUNLASHINGし、本船のHOOKから離れCONSIGNEEが指定したFORWARDERに、その貨物がDELIVERY(ON TRUCK)される迄のACCOUNTはSHIPPERから支払われた海上運賃に含まれるのでCARRIERがステベーに支払い、そのRISKはステベーが負担する。
 
㊟ ここで間違えてはならない事は、SHIPPING CHARGEやLANDING CHARGEがSTEVEDORAGEと考えている人が少なからずいるが、これはGATE CHARGEもしくはWHARFAGE、つまりSHIPPERおよびCONSIGNEEがステベーに支払う、ショバ代と見為すべきである。